大会長挨拶

 このたび、2025年(令和7年)11⽉23⽇(日)24⽇(月)の2⽇間、第18回日本総合歯科学会総会・学術⼤会を長野県松本市で開催いたします。

 本学会は、ご存じの通り、2008年に「包括的総合歯科医療に関する研究・教育の進歩・発展を期し、併せて総合歯科医療、⼝腔プライマリケアの向上に寄与し、もって国⺠の健康福祉の向上に貢献する(本会定款より)」という理念を掲げ、「総合歯科協議会」として設⽴されました。その後、活動の充実に伴って2013年に「(任意団体)⽇本総合歯科学会」と学会を称する団体として旗揚げし、2020年には「⼀般社団法⼈⽇本総合歯科学会」と法⼈格を有する団体へと発展してまいりました。

 今大会のテーマは、これまで学会で議論されてきた総合歯科のアイデンティティーに関わる考察やその模索をふまえ、次の若い世代に総合歯科をどのように伝え、どのような学びを提供するのか、という視点から「総合歯科の未来展望―アドバンスな総合診療を目指して―」とさせていただきました。今さらと思われがちですが、歯科医師から歯科医師への指導はもちろん、歯科医師と歯科衛⽣⼠、歯科医師と歯科技⼯⼠など、歯科医療関連職の間の教育を具体的にどのように進めるのか、社会が求める歯科医療のニーズが⼤きく変化する中で、その教育も変化を求められています。多くの関連職が一堂に会するこの機会にこそ、今一度議論をしたいと考えております。

 メインテーマの下、特別講演(基調講演)として日本歯科専門医機構の今井裕理事長をお迎えし、「歯科医師の目指す国民目線の専門医制度構築と運用の現状(仮)」についてご講演をいただきます。シンポジウムとして、「歯科医師の目指すアドバンスな総合診療」として、岩手医科大学歯学部教授の野田守先生とたたらリハビリテーション病院歯科の今井美恵先生にご講演をいただきます。加えて、特別講演として、「1口腔単位の歯科診療を摂食嚥下から考える(仮)」として日本大学名誉教授の植田耕一郎先生にご講演をいただく予定としております。教育講演としては、九州歯科大学教授の木尾哲朗先生に「総合歯科医が知っておきたい医療のコミュニケーション」についてご講演いただく予定です。

 松本歯科大学病院初診室を大会事務局として、準備委員⻑の大木絵美先生、実行委員長の内田啓一先生を中⼼に、ご参加いただく先⽣⽅の闊達なディスカッションと笑顔をイメージしながら鋭意準備を進めております。ぜひ多くの方のご参加を心よりお待ち申し上げます。

令和7年3月 吉日

第18回日本総合歯科学会総会・学術大会 大会長
音琴 淳一

松本歯科大学病院初診室(総合診断科・総合診療科)